働きづらさに対するわが国初の横断的プロジェクト「WORK! DIVERSITY」の中核となるプラットフォーム。全体構想構築、社会保障と財政の関連検討、海外状況分析、態様別支援方法のマニュアル化などを行う。毎年1回、フォーラムも開催する。

全体構想構築

態様横断的な社会制度化に適した
システムの全体構想を複数立案

議論の軸

社会保障と財政の関連検討

社会制度化のメリット・
動機となる財政根拠の提示

「経済・財政・社会保障収支バランス」と働きづらさを抱える者の就労促進との関係分析……就労支援の効果(税収・社会保険料の増加、医療・介護費の減少、労働力の増加等)を経済学の視点から論証

海外状況の分析

海外事例の整理・分析

主要国の、障害者をはじめ、生活困窮者、そのほか働きづらさを抱える者に対する就業対策「ダイバーシティ就労化」の動向などを調査し、その取り組みの効果をまとめる

態様別の支援方法マニュアル化

各態様の働きづらさを抱える者に対する
就労支援策を検討

議事要旨

2018.11.29

第1回「経済・財政・社会保障収支・労働需給バランス」検討部会

日時:2018年11月29日 10:00~12:00

場所:日本財団2階第8会議室

出席者:小峰部会長、酒光委員、田中委員、福本委員、山田委員、ダイバーシティ就労支援機構

 

(委員自己紹介)

 

(資料説明)

 

(主な発言)

● この部会に期待されているのは、 就労困難者にいろいろ政策的な支援を行った結果の、

①就業者がどれくらいの規模になるか(労働力需給バランス)、

②GDP や財政や社会保障など、ミクロやマクロのいろいろなコストとベネフィットがどれほどになるか(経済・財政・社会保障収支バランス)、

ということか。

● ウェル・ビーイング(well being 注)の実現が目的か。

● 働きたいのに働けない人達が、働くという選択肢を持てるようにしたい。

● モデル事業の設計の段階で、我々の推計に必要なデータが取得できるような仕組みを取り入れてくれるとありがたい。

 

 

(注)「『ウェル・ビーイング』とは、個人の権利や自己実現が保障され、身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを意味する概念であり、OECDが公表している“better life index”はOECDが幸福に必要不可欠と特定している物質的な生活条件(住宅、収入、雇用)と生活の質(共同体、教育、環境、ガバナンス、医療、生活満足度、安全、ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の両立))(計11項目)から算出されている。本報告書でいう『就業面からのウェル・ビーイングの向上』とは、働き方を労働者が主体的に選択できる環境整備の推進・雇用条件の改善等を通じて、労働者が自ら望む生き方に沿った豊かで健康的な職業人生を送れるようになることにより、自らの権利や自己実現が保障され、働きがいを持ち、身体的、精神的、社会的に良好な状態になることをさす。」(平成30年度厚生労働省雇用政策研究会報告書(案)、平成31年1月15日第8回雇用政策研究会提出資料、より引用)

2018.11.28

第2回 海外状況整理部会

日時:2018年11月28日 14:00~16:00

場所:日本財団2階第2会議室

出席者 松井部会長、寺島委員、永野委員、日本財団、ダイバーシティ就労支援機構

 

(資料説明)

 

(担当等について確認)

 

(海外の概況)

● 海外では、例えば障害者と刑余者等を一緒に支援する考え方がない。日本は、いろいろな支援の仕組みが揃っているほう。

● 欧州の大陸系諸国は、伝統的に重度障害者以外の人なら働かせよう、という位のところまでしか来ていない。彼らには、重度障害者に働いてもらう発想がない。日本は、重度障害者でも働けるなら働いてもらおうという発想がある。その意味では、日本のほうが進んでいる。そういう「重度障害者も働いていいのだよ」という考え方は、ソーシャルファームと合っている。

● ドイツでは、「重度障害者」の範囲が広い。その人達は、基本的に働かなくてよい。年金や手当で生活できる。ただ、重度障害者も働いてもらうという機運があり、大陸系の中では進んでいるほう。

● オランダは、「大陸系」の範疇に入らない。Dutch Disease(オランダ病)のとき社会保障制度がいったん壊れて、違う方向に向かっている。
オランダでは、「就労できないことは障害者だ」という考え方があった。その考え方に基づき、55 歳以上の1/3に障害年金を給付した。そのために社会保障制度が破綻。それがDutch Disease。
その後、民間活力導入により劇的に改善。「オランダの奇跡」といわれた。

● イギリスは、依然として「なぜ重度障害者を働かせるのだ」という雰囲気も強い状況。

● スウェーデンは、難民も広い意味での「障害者」として支援している。北欧は参考になるかもしれない。

● アメリカでは Socially Handicapped(社会的不利者)も一種の障害者とする考え方がある。これには、長期失業者等も含まれる。

● イギリス、ドイツ、フランスは、古い考え方から十分抜け出ていない。障害があっても働けるという自立支援の発想がない。ただ、民間活力による障害者の就労促進には、力を入れている。

 

(障害年金との関係)

● 日本は、ヨーロッパより重度障害者が働いている。この違いには、年金制度が関係している可能性がある。

● インペアメント(impairment 機能障害)があるために働きたいのに働けない状況がある。インペアメント自体でなく、このような社会的不利が生じている状況に着目して制度設計している国が、どこかにないか。

● ヨーロッパがそうではないか。稼げないから年金で、という考え方。

● 日本では、高所得者が年金をもらう一方、本当に必要な人がもらえない、という状況がある。こっちの制度のほうがおかしいという意見もある。

 

(フランスの連帯経済)

● フランスには「連帯経済」という概念がある。連帯経済の中に、障害者用の仕組みと、長期失業者やシングルマザーなど就労に困難な人への仕組みがある。フランスについては、この連帯経済を調査すれば参考になるかもしれない。
必ずしも同じ企業というわけではないが、同じ経営者が障害者用の事業所と、障害者以外の就労困難者用の事業所との両方を持っている例もある。

● フランスには、障害労働者認定の仕組みがあり、個別の状況を見て認定判断がなされている。
障害労働者の範囲は広く、障害労働者向けのサービスを利用できるものも多い。

 

(韓国のソーシャルファーム)

● 韓国では、対象者の範囲が広いソーシャルファームが作られた。55 歳以上の高齢者など、一般労働市場で働けそうにない人はすべて対象者にしている。そのための公的機関も作られた。しかし、ソーシャルファームの制度が十分機能していない。政府の多くの支援があるにもかかわらず、対象を広くし過ぎてうまくいかない例かもしれない。

● なぜうまくいっていないのかをきちんと分析する必要がある。

 

(民間企業への働きかけ)

● アメリカなどでは、民間企業を取り込んでいく動きが盛ん。CEO や社長を集めて組織を作り、そこで障害者雇用の重要性を啓発するなどとりくんでいる。

2018.11.13

第2回 企画委員会

日時:2018年11月13日 18:00~20:45

場所:日比谷図書文化館 セミナールーム A

出席者:有村委員、池田委員、久保寺委員、丸物委員、村木委員、生田オブザーバー(全体委員会委員)、山田オブザーバー(全体委員会委員)、報告者随行、日本財団、ダイバーシティ就労支援機構

 

(池田委員が自身の構想を報告)

・(支援対象)働く意欲を持っているが、身体的、精神的、または社会的理由で、直ちに一般就労が困難な人を対象者とする。

・(就労困難度の認定方法)①労働生産性、②労働習慣性、③社会的要因をもとに、「働きづらさ」をアセスメントし一定の数値以上の人を対象者と位置づける。

・(就労支援事業者)「ダイバーシティ就労支援センター」(仮称)以下(支援センター)を市町村域または広域に設置する。

支援センターは、生活困窮者自立支援法に基づく就労支援機能を一括して担うとともに、各種職業訓練を行う。

・(ダイバーシティ就労認定事業者)ダイバーシティ就労を実施する事業者(障害福祉サービス事業所や企業など)を、「ダイバーシティ就労認定事業者」として、支援センターが登録する。認定された事業者は、職場体験、実習、就労訓練のほか、就労自立に向けた諸活動、失業者の職業訓練等をおこなう。

・(ダイバーシティ就労認定事業者への報酬)定額の訓練給付費を支給する。

【就労継続支援A型事業所の報酬単価を基準にした案】

基本報酬(20名以下/10:1) 532単位/日

→10名を受け入れるは難しいので 1 名あたりの一日の柔軟な単位数設定が必要

【求職者支援制度を活用した案】

千葉県の障害者委託訓練の場合

委託訓練費 90,000円/月/人

訓練給付費 100,000円/月/人

→訓練事業所認定要件・訓練給付費支給要件が厳しいため、柔軟な運用が必要。

・障害者を含む対象者全員の就労人数、就労時間数をもとに、「ダイバーシティ就労率」を算定

国は、一定規模以上の企業、非営利団体等のダイバーシティ就労率を公表し、ダイバーシティ就労支援機構は、優良事業者を顕彰。

国、自治体は、ダイバシィ就労率が高い優良事業者へ、優先発注の制度を創設。

・(長期的課題)「障害者」の規定を医療モデルから社会モデルに転換。

転換後の障がい者支援=生活困難度に応じ生活支援(医療・介護を含む) +就労困難度に応じた就労支援(所得補償を含む)

 

(就労困難者)

● 今の「障害者」は、障害が固定されていることが前提。そうではなくて、支援により障害が解消する人達も対象にすべし。

● あらかじめ定義するのではなく、働けない人を広く取り込んでいく。発想を転換することが必要。

● ダイバーシティ就労率(生活クラブ風の村では「ユニバーサル就労率」として算定している)を、障害者雇用率のように、納付金制度と連動させるのは議論が必要。

● 就労支援の範囲を広げていくと、障害者以外の就労困難者への支援に力が入り、就労困難な障害者、とくに精神や知的重度の方々がますます置き去りにされる危惧がある。

● 身体障害者の制度自体も医学の進歩に合わせて見直されるべき。

● 働く意欲があるかどうかを見分ける基準をどうするか。雇用保険受給者は、「働く意欲がある」と答える方向にバイアスがかかる。

● 対象を幅広くとらえるべき。ただし、対象者ごとのきめ細かい支援が必要。そのためには、

① 既存の支援策との関係を整理すべき(追加か代替かなど)

② 困難要因ごとに、どんな支援があるかを調べることが必要

● 社会環境が整うことにより、障害者への支援を減らしてよい場面もある。例えば、バリアフリー化が進んだことで車椅子の人の活動可能範囲が広がり、ハンディキャップの度合いが小さくなった。

その分を他の人への支援に振り向けられる。

 

(実施主体など)

● 「就労支援」の下に各種支援を総合化すべし。ひきこもり支援と就労準備支援が同じ事業者に委託され、それらが有機的につながり、有効に働いている事例がある。

● なかぽつ(障害者就業・生活支援センター)が持っている就労支援のスキルは優秀。このスキルをダイバーシティ就労支援センターに取り込めるとよい。

● 地方では、なかぽつは、圏域が広すぎて数が少なくて、弱体になりがち。

 

(就労困難者類型の共通性と特殊性)

● 就労困難者のタイプごとに支援策を考える必要がある。

● 多くのタイプに共通する要素もある。自己肯定感の低さや、どうやって伴走型にしていくかなど。

● いくつかの支援を組み合わせることが必要。共通支援だけでは完結しない。

● 共通性はある。

①労働準備性(自己評価と職種評価が一致しているかなど)

②労働習慣性(毎日決まった場所・時間に勤務する、職場のルールが守れる、コミュニケーションがとれるなど)

③生産性(与えられた職務の遂行能力など)

など。

 

(企業への就職、就職後の定着)

● 就労可能性が高まった支援対象者を企業にマッチングすることも重要。

● 自治体や団体で有料又は無料職業紹介事業をやっているところがある。力を入れなければならないのは、就職後の定着。伴走型支援が求められる。

 

(偏見への対応)

● 偏見是正の社会運動が効果的な人達もいる。それらの人達も救わなければならない。

● LGBT などは、偏見の問題であって、本人のトレーニング云々でない。企業へのマッチングと、偏見を取り除く活動が必要。それもやるべきだと思う。ただ、手を広げすぎるのではないかという懸念もある。

● つまるところ啓発の問題。ダイバーシティ就労支援センターの中に、啓発を受託する事業部門を併設する考え方もある。

2018.10.30

第1回 海外状況整理部会

日時:2018年10月30日 10:00~12:00

場所:神田天翔ビル10階会議室B

出席者:松井部会長、石崎委員、西村委員、日本財団、ダイバーシティ就労支援機構

 

(資料説明)

 

(委員自己紹介)

 

(調査項目、担当)

● 事務局提出の調査項目(案)を了解。

● 各委員の担当を確認。

 

(各委員会、部会の関係)

● (事務局)

・全体委員会は、全体の方向付けの確認。

・企画委員会は、全体の調整。
・具体的テーマを、個別部会で検討。

・就労困難の態様別の検討は、まずは、情報収集、ネットワークの構築。

 

(ソーシャルファーム など)

● ソーシャルファームジャパンが実施した韓国訪問調査におけるソーシャルファームの紹介。ガイダンス等をしても就労を希望しない者への対応について質疑。

 

(報告書の扱い)

今年度報告書は、調査が本格化してないので簡単なものになる。来年度は、しっかりしたものを作成。

2018.10.4

第1回 企画委員会

日時:2018年10月4日 18:00~20:40

場所:トヨタ自動車(株)東京事業所会議室(2階211会議室)

出席者:駒村委員長、有村委員、川上(池田委員代理)、久保寺委員、丸物委員、村木委員、生田オブザーバー(全体委員会委員)、日本財団、ダイバーシティ就労支援機構

 

(資料説明)

 

(就労困難者の範囲について)

● 計上すべき就労困難要因は、今後さらに精査する。

 

(支援の枠組)

● 当面、基本構想案構築のため、識者からのヒアリングを行いたい。

● 税や保険料など各種の財源を考えうるが、今の段階では財源を特定しない。

● 生活面の支援も対象とするかどうかについては、対象を広げすぎるという考えがある一方で、きれいに割り切れないという考え方もある。

 

(既存事業との関係)

● 既存事業との整理は大事。既存の事業を拡充するのか、単独の支援事業を構築するのかなど。

 

(企業側インセンティブ、社会の 理解)

● 企業へのインセンティブとして、金銭面以外の刺激策も必要。障害者雇用率を発展させた「ダイバーシティ就労率」(働きづらさを抱える多様な人々の就労割合)という指標があり得るか。

● 社会全体の理解を醸成することも重要。

 

(メンバー)

● 必要に応じ、企画委員会のメンバーを柔軟に追加してよい。

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